ドイツ移住ガイド
ビザ手続き2026.08.15 更新

EES と ETIAS【2026】ドイツ在住者・日本人はどうなる|違いと現状

EES は 2026 年 4 月 10 日に全面稼働、ETIAS は現時点で未稼働。滞在許可・D ビザを持つドイツ在住者が対象外である理由、短期渡航者への影響、両者の違いを公式情報から整理します。

Kazuki Kagami
在独フリーランス (ベルリン)・本サイト運営者
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いま(2026 年 8 月時点)どうなっているか

システム現況日本人への影響
EES全面稼働中(2026 年 4 月 10 日〜)短期滞在なら入出国時に生体登録あり
ETIAS未稼働。申請は受け付けられていない現時点で申請は不要・不可
  • EES は 2025 年 10 月 12 日に段階的に開始し、2026 年 4 月 10 日に全面稼働しました(欧州委員会)。移行期間は終了しています。
  • ETIAS は欧州委員会・eu-LISA の現在の説明で「現在は稼働しておらず、渡航許可の申請は一切受け付けていない」とされています。開始日は運用開始の数か月前に EU が告知する予定です。
「ETIAS を今すぐ申請」を促すサイトに注意

ETIAS はまだ受付が始まっていません。**いま申請を受け付けると称するサイトは公式ではありません。**開始後も、申請は必ず EU の公式サイト・公式アプリから行ってください。

結論(先に要点)

先に結論

EES は全面稼働中(生体登録・2026-04-10〜)。ETIAS は未稼働で開始日は未告知(手数料は €20 の予定)。滞在許可・長期 D ビザを持つドイツ在住者は、どちらも対象外

日本人にとっての要点:

  • EES: 短期滞在者の入出国時に 指紋+顔写真の生体登録。シェンゲン全空港・陸路国境で実施中。パスポートへのスタンプは廃止
  • ETIAS: シェンゲン短期渡航(90 日 / 180 日ルール)に 事前オンライン申請 + €20 が必要になる予定。まだ始まっていません
  • ビザ免除自体は維持: 日本人は引き続き 90 日 / 180 日のシェンゲン短期滞在ビザ免除。ETIAS はビザではなく「事前渡航許可」
  • 長期滞在ビザ(D ビザ)保持者は対象外: フリーランス §21・WH・Chancenkarte 等
  • 既にドイツ在住で滞在許可を持つ人も対象外: eAT / Aufenthaltstitel 保持者

短期で訪欧する日本人や、移住後に周辺国へ旅行する人は影響あり。長期移住者本人は基本的に影響なしです(→ ドイツ在住者はどうなるか)。

EES(Entry/Exit System)— 全面稼働中

何が変わったか

2025 年 10 月 12 日に段階的な運用が始まり、2026 年 4 月 10 日に全面稼働しました。短期滞在者(ビザ免除国民 + 短期シェンゲンビザ保持者)の入出国を生体データで記録するシステムです。

移行期間中は一部の国境で従来どおりのスタンプ運用が併存していましたが、全面稼働後はシェンゲン全域で EES に統一されています。

新(EES)
パスポートに入出国スタンプデジタル記録(生体データ + パスポート情報)
90 日 / 180 日の計算は手動自動計算・超過は自動検知
入国審査で名前・滞在予定を口頭確認初回のみ指紋 4 本 + 顔写真を登録、2 回目以降はマッチング
国境通過時間: 通常 30 秒〜2 分初回登録時のみ 5〜10 分 + 列、2 回目以降は同程度

登録内容

  • パスポート情報
  • 顔写真(高解像度)
  • 指紋 4 本(左右各 2 本、12 歳未満は免除)
  • 入出国の日時・場所
  • 滞在許可・拒否の理由(拒否された場合)

保持期間

入国記録は 3 年間保持され、90 日 / 180 日ルールの自動計算に使われます。期限超過すると Schengen Information System (SIS) に記録され、将来の入国拒否や ETIAS 申請の障害になる可能性。

影響を受ける人

  • 短期滞在のビザ免除国民(日本・米・カナダ・韓国・オーストラリア等)
  • 短期シェンゲンビザ(C ビザ)保持者
  • 長期滞在ビザ(D ビザ)保持者 / 滞在許可保持者は対象外

つまり、フリーランスビザ §21 や WH・Chancenkarte で長期滞在中の日本人は対象外。一時帰国 → 再入国時も、滞在許可を提示すれば EES の対象になりません。

国境での実際

初回の EES 登録は 空港の自動ゲート(ABC ゲート)か有人カウンターで行われます。Frankfurt / Munich / Berlin Brandenburg 等の主要空港では自動ゲートが整備されつつありますが、運用初期は列ができる傾向。短期滞在の渡欧時は 入国に 30 分〜1 時間の余裕を見込むのが安全です。

ETIAS(European Travel Information and Authorisation System)

概要

シェンゲン圏のビザ免除国民が 事前にオンラインで渡航許可を取得するシステム。米国の ESTA や英国 ETA のシェンゲン版。

スケジュール(2026 年 8 月時点)

**開始日は公式に告知されていません。**欧州委員会と eu-LISA の現在の説明はこうです。

ETIAS は現在稼働しておらず、渡航許可の申請は一切受け付けていない。EU は運用開始の数か月前に、具体的な開始日を告知する。

  • 現時点で申請は不要かつ不可
  • 開始後は移行期間が設けられる見込みですが、その長さも公式に確定していません
  • 過去に複数回リリースが延期されているため、具体的な日付を挙げている非公式情報は当てになりません
この記事の日付について

本記事はかつて「2026 年 Q4 〜 2027 年春に強制化」と書いていましたが、これは公式が確定させていない見通しでした。公式が告知していない日付は書かない方針に改めています(2026-08-15 修正)。最新の状況は上記の出典で直接ご確認ください。

要件

項目内容
対象シェンゲン短期滞在ビザ免除国民(日本人含む)
手数料€20(18〜70 歳。18 歳未満・70 歳超は無料)
有効期間3 年間 または パスポート有効期限のうち短い方
回数制限期間中は何度でも入域可(個々の滞在は 90 日 / 180 日ルール)
申請所要時間大半は数分で自動承認、追加審査の場合 30 日以内
取得方法オンライン(公式サイト・公式アプリ)

ETIAS が不要な人

  • 長期滞在ビザ(D ビザ)保持者: フリーランス・就労・WH・Chancenkarte・学生ビザ等
  • EU/EEA/スイス市民
  • EU 居住者(永住権・eAT 等): ドイツ在住者は ETIAS 不要
  • 18 歳未満・70 歳超: 申請は必要だが手数料は無料
  • EU 市民の家族、および EU 域内の自由移動権を持つ第三国国民の家族: 手数料免除

年齢による免除は「手数料の免除」であって、申請自体の免除ではない点に注意してください。

申請の流れ(予定)

  1. 公式サイト(travel-europe.europa.eu/etias)にアクセス
  2. パスポート情報・連絡先・職業・最初の入域予定国を入力
  3. €20 をカード決済
  4. 数分〜30 日で承認結果がメール
  5. 入国時はパスポートと紐付け(カード等の発行はなし)

非公式の代理申請サイトにはプレミアム料金を取る詐欺的サービスが存在するので、必ず公式 URL から申請を。

ドイツ在住者はどうなるか(滞在許可・D ビザ保持者)

結論:EES・ETIAS のどちらも対象外です。

EES と ETIAS が対象にしているのは「短期滞在者」、つまりビザ免除で 90 日 / 180 日ルールの枠内に入る渡航者と、短期シェンゲンビザの保持者です。滞在許可(eAT / Aufenthaltstitel)や長期滞在ビザ(D ビザ)を持つ人は、そもそも短期滞在者ではないため、この枠組みに入りません。

あなたの状態EESETIAS
eAT / Aufenthaltstitel 保持(フリーランス §21・就労・配偶者等)対象外対象外
D ビザ保持(WH・Chancenkarte・学生・入国直後)対象外対象外
ビザ免除で短期滞在中(観光・出張・現地申請待ち)対象開始後は対象

一時帰国して戻るとき

**再入国時に滞在許可を必ず提示してください。**提示しないと短期滞在者として EES に登録されてしまい、90 日 / 180 日のカウントが始まる恐れがあります。カードを預けたまま荷物に入れず、パスポートと一緒に手元に持っておくのが確実です。

滞在許可の有効期限が近い場合は、出国前に更新の見通しを立てておく方が安全です(→ フリーランスビザの更新)。

他のシェンゲン国へ旅行するとき

域内移動なので陸路の国境審査は原則ありません。空港でも居住者として扱われ、EES / ETIAS の対象外です。

EU 域内のフライトが遅延・欠航した場合は EU261 で補償を請求できます(→ フライト遅延・欠航の補償請求)。域内移動が増える在住者ほど機会が多く、知らずに放置している人が多い制度です。

まだ滞在許可を持っていない場合(要注意)

ビザなしで入国し、現地でビザ申請の予約を待っている間は、あなたは短期滞在者です。EES の対象になり、90 日 / 180 日のカウントが進みます。

**この状態で周辺国へ旅行すると、日数計算がさらに厳しくなります。**EES は全面稼働しており、超過は自動検知されます。現地申請のリスクについては ワーホリビザ申請ガイド の「ビザが無い期間のリスク」で扱っています。

その他のケース

短期で渡欧する観光客・出張者

EES 対象。ETIAS は開始後に必要になります。現時点では ETIAS の申請は不要です。入国時に EES 生体登録(初回のみ 5〜10 分)→ 90 日 / 180 日内で滞在。

短期渡航でも現地の通信手段は必要になるので、eSIM の選び方も参考にしてください。

ワーホリで渡独予定の日本人

EES / ETIAS とも対象外。ワーホリビザは D ビザなので、入国時に D ビザを提示すれば EES の対象になりません。

ただし、日本でビザを取らずに渡航する場合は上記の「まだ滞在許可を持っていない場合」に該当します。

シェンゲン圏外(英国・アイルランド等)への渡航

英国・アイルランドはシェンゲン非加盟なので EES/ETIAS の対象外。英国は別途 ETA が日本人にも適用されているので、英国渡航前は最新の要件を英国政府公式で確認してください。

よくある混同

EES と ETIAS の違い

EESETIAS
何を記録入出国の生体データ事前渡航許可
誰が払う国境管理旅行者本人
どこで入国時(自動 or 有人)出発前にオンライン
料金無料€20
対象ビザ免除国民の短期渡航ビザ免除国民の短期渡航
現況全面稼働中(2026-04-10 〜)未稼働・開始日未告知

ビザではない

ETIAS は ビザではなく「事前渡航許可」。シェンゲン短期滞在ビザ免除自体は維持され、ETIAS は ESTA や英国 ETA に近い位置づけです。

日本人の 90 日 / 180 日ルールは変わらない

シェンゲン圏でのビザ免除滞在期間(180 日のうち 90 日まで)は変更なし。EES はその計算を自動化するだけ、ETIAS は事前許可を加えるだけ。

FAQ

Q1. いま短期でドイツへ渡航します。何をすればいい?

A1. ETIAS は未稼働なので何もする必要はありません(申請自体が受け付けられていません)。EES は全面稼働中なので、空港で生体登録(指紋 + 顔写真)を行います。初回は 5〜10 分かかるため、入国に 30 分〜1 時間の余裕を見込んでください。

Q1-2. ETIAS はいつから必要になりますか?

A1-2. **未定です。**欧州委員会・eu-LISA は「現在稼働しておらず、開始日は運用開始の数か月前に告知する」としか説明していません。具体的な日付を挙げている非公式情報は当てになりません(過去に複数回延期されています)。

Q2. ドイツ在住者が一時帰国 → 戻る時、ETIAS は必要?

A2. 不要。eAT / Aufenthaltstitel を提示すれば EES / ETIAS どちらも対象外です。再入国時はパスポート + 滞在許可カードを必ず携帯してください。提示しないと短期滞在者として EES に登録され、90 日 / 180 日のカウントが始まる恐れがあります。

Q3. ETIAS の有効期限が切れたら?

A3. 3 年で失効するので、再申請(€20)が必要。パスポートを更新した場合も新規申請が必要(旧パスポートに紐付いているため)。

Q4. ETIAS が拒否されたら?

A4. 公的データベースに照合され、犯罪歴・過去のシェンゲン違反履歴・偽情報申告等で拒否される可能性あり。拒否された場合は シェンゲン短期ビザ(C ビザ)の通常申請が必要になります。

Q5. EES 登録時に拒否されることは?

A5. EES そのものは入国判定システムではなく記録システム。入国可否は別途国境警備官の判断。ETIAS が必要時期に未取得・90 日超過・偽パスポート等で入国拒否されると、SIS に記録され将来の渡欧に影響します。

Q6. 子供(12 歳未満)の指紋登録は?

A6. 12 歳未満は 指紋登録免除、顔写真のみ。

次に読む

出典・参照

本記事の数値・期限・制度説明は、以下の公式一次ソースと突合済 (2026-08-15 時点)。

  1. 欧州委員会 - Entry/Exit System (EES) 公式home-affairs.ec.europa.eu
  2. 欧州委員会 - Smart Borders(EES 全面稼働・ETIAS 現況)home-affairs.ec.europa.eu
  3. eu-LISA - ETIAS(未稼働・手数料 €20)eulisa.europa.eu
  4. eu-LISA - EES 運用開始情報eulisa.europa.eu
  5. 駐日ドイツ大使館 - 入国手続きjapan.diplo.de
  6. 外務省 - ビザ免除国・地域mofa.go.jp