ドイツ移住ガイド

EES と ETIAS【2026 / 2027 完全ガイド・日本人向け】

ビザ手続き2026-06-21 更新

結論(先に要点)

EES(Entry/Exit System)は 2026 年 10 月 12 日に EU 全域で運用開始済みETIAS は 2026 年 Q4 〜 2027 年春に強制化される 2 つの新システム。日本人にとっての要点:

  • EES: 入出国時に 指紋+顔写真の生体登録。シェンゲン全空港・陸路国境で実施中。パスポートへのスタンプ廃止
  • ETIAS: シェンゲン短期渡航(90 日 / 180 日ルール)に 事前オンライン申請 + 約 €20 が必要に
  • ビザ免除自体は維持: 日本人は引き続き 90 日 / 180 日のシェンゲン短期滞在ビザ免除。ETIAS はビザではなく「事前渡航許可」
  • 長期滞在ビザ(D ビザ)保持者は ETIAS 不要: フリーランス §21・WH・Chancenkarte 等の滞在許可所持者は対象外
  • 既にドイツ在住で滞在許可を持つ人も対象外: eAT / Aufenthaltstitel 保持者は ETIAS 不要

短期で訪欧する日本人や、移住後の一時帰国前に短期旅行する人は影響あり。長期移住者本人は基本的に影響なし

EES(Entry/Exit System)— すでに稼働中

何が変わったか

2026 年 10 月 12 日に EU 全シェンゲン国境で運用開始。短期滞在者(ビザ免除国民 + 短期シェンゲンビザ保持者)の入出国を生体データで記録するシステムです。

新(EES)
パスポートに入出国スタンプデジタル記録(生体データ + パスポート情報)
90 日 / 180 日の計算は手動自動計算・超過は自動検知
入国審査で名前・滞在予定を口頭確認初回のみ指紋 4 本 + 顔写真を登録、2 回目以降はマッチング
国境通過時間: 通常 30 秒〜2 分初回登録時のみ 5〜10 分 + 列、2 回目以降は同程度

登録内容

  • パスポート情報
  • 顔写真(高解像度)
  • 指紋 4 本(左右各 2 本、12 歳未満は免除)
  • 入出国の日時・場所
  • 滞在許可・拒否の理由(拒否された場合)

保持期間

入国記録は 3 年間保持され、90 日 / 180 日ルールの自動計算に使われます。期限超過すると Schengen Information System (SIS) に記録され、将来の入国拒否や ETIAS 申請の障害になる可能性。

影響を受ける人

  • 短期滞在のビザ免除国民(日本・米・カナダ・韓国・オーストラリア等)
  • 短期シェンゲンビザ(C ビザ)保持者
  • 長期滞在ビザ(D ビザ)保持者 / 滞在許可保持者は対象外

つまり、フリーランスビザ §21 や WH・Chancenkarte で長期滞在中の日本人は対象外。一時帰国 → 再入国時も、滞在許可を提示すれば EES の対象になりません。

国境での実際

初回の EES 登録は 空港の自動ゲート(ABC ゲート)か有人カウンターで行われます。Frankfurt / Munich / Berlin Brandenburg 等の主要空港では自動ゲートが整備されつつありますが、運用初期は列ができる傾向。短期滞在の渡欧時は 入国に 30 分〜1 時間の余裕を見込むのが安全です。

ETIAS(European Travel Information and Authorisation System)

概要

シェンゲン圏のビザ免除国民が 事前にオンラインで渡航許可を取得するシステム。米国の ESTA や英国 ETA のシェンゲン版。

スケジュール

  • 2026 年 Q4 〜 2027 年春: 段階的に運用開始(公式発表時点)
  • 強制化: 運用開始から 6 か月の猶予期間(移行期)あり、その後約 2027 年 4 月から ETIAS なしでは入国不可になる見通し
  • 最新の運用開始日は欧州委員会公式で要確認(リリース変更が複数回行われている)

要件

項目内容
対象シェンゲン短期滞在ビザ免除国民(日本人含む)
手数料€20(18〜70 歳。18 歳未満・70 歳超は無料)
有効期間3 年間 または パスポート有効期限のうち短い方
回数制限期間中は何度でも入域可(個々の滞在は 90 日 / 180 日ルール)
申請所要時間大半は数分で自動承認、追加審査の場合 30 日以内
取得方法オンライン(公式サイト・公式アプリ)

ETIAS が不要な人

  • 長期滞在ビザ(D ビザ)保持者: フリーランス・就労・WH・Chancenkarte・学生ビザ等
  • EU/EEA/スイス市民
  • EU 居住者(永住権・eAT 等): ドイツ在住者は ETIAS 不要

申請の流れ(予定)

  1. 公式サイト(travel-europe.europa.eu/etias)にアクセス
  2. パスポート情報・連絡先・職業・最初の入域予定国を入力
  3. €20 をカード決済
  4. 数分〜30 日で承認結果がメール
  5. 入国時はパスポートと紐付け(カード等の発行はなし)

非公式の代理申請サイトにはプレミアム料金を取る詐欺的サービスが存在するので、必ず公式 URL から申請を。

日本人にとっての影響シナリオ

シナリオ 1: 短期で渡欧する観光客・出張者

EES 対象 + ETIAS 必要(2027 春以降)。出発前に ETIAS €20 を取得 → 入国時に EES 生体登録(初回のみ 5〜10 分)→ 90 日 / 180 日内で滞在。

シナリオ 2: ワーホリで渡独予定の日本人

EES / ETIAS とも対象外。ワーホリビザは D ビザなので、入国時に D ビザを提示すれば EES の対象になりません。ETIAS も不要。

シナリオ 3: ドイツ在住者(フリーランス・WH・Chancenkarte 等)

EES / ETIAS とも対象外。eAT / Aufenthaltstitel を提示すれば短期滞在扱いにならず、生体登録も ETIAS も不要。一時帰国 → 再入国時は滞在許可を必ず提示

シナリオ 4: ドイツ在住者が他のシェンゲン国に旅行

域内移動なので国境審査はなし(陸路)。空港でも EU 居住者扱いで EES/ETIAS の対象外。

シナリオ 5: シェンゲン圏外(英国・アイルランド等)への渡航

英国・アイルランドはシェンゲン非加盟なので EES/ETIAS の対象外。英国は別途 ETA(£10)が 2024 年から日本人にも適用されているので、英国渡航前は要確認。

よくある混同

EES と ETIAS の違い

EESETIAS
何を記録入出国の生体データ事前渡航許可
誰が払う国境管理旅行者本人
どこで入国時(自動 or 有人)出発前にオンライン
料金無料€20
対象ビザ免除国民の短期渡航ビザ免除国民の短期渡航
強制時期2026-10-12 〜2026 Q4〜2027 春

ビザではない

ETIAS は ビザではなく「事前渡航許可」。シェンゲン短期滞在ビザ免除自体は維持され、ETIAS は ESTA や英国 ETA に近い位置づけです。

日本人の 90 日 / 180 日ルールは変わらない

シェンゲン圏でのビザ免除滞在期間(180 日のうち 90 日まで)は変更なし。EES はその計算を自動化するだけ、ETIAS は事前許可を加えるだけ。

FAQ

Q1. 2026 年 10 月にドイツへ短期渡航します。何をすればいい?

A1. EES は対象ですが、ETIAS はまだ強制化前なので不要。空港で生体登録(指紋 + 顔写真)を行うため、入国に 30 分〜1 時間の余裕を見込んでください。

Q2. ドイツ在住者が一時帰国 → 戻る時、ETIAS は必要?

A2. 不要。eAT / Aufenthaltstitel を提示すれば EES / ETIAS どちらも対象外です。再入国時はパスポート + 滞在許可カードを必ず携帯してください。

Q3. ETIAS の有効期限が切れたら?

A3. 3 年で失効するので、再申請(€20)が必要。パスポートを更新した場合も新規申請が必要(旧パスポートに紐付いているため)。

Q4. ETIAS が拒否されたら?

A4. 公的データベースに照合され、犯罪歴・過去のシェンゲン違反履歴・偽情報申告等で拒否される可能性あり。拒否された場合は シェンゲン短期ビザ(C ビザ)の通常申請が必要になります。

Q5. EES 登録時に拒否されることは?

A5. EES そのものは入国判定システムではなく記録システム。入国可否は別途国境警備官の判断。ETIAS が必要時期に未取得・90 日超過・偽パスポート等で入国拒否されると、SIS に記録され将来の渡欧に影響します。

Q6. 子供(12 歳未満)の指紋登録は?

A6. 12 歳未満は 指紋登録免除、顔写真のみ。

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